日本語では…「植物芳香療法」と訳されていますが、主によく知られている用い方は、精油と呼ばれるオイルを部屋で焚いたり、風呂のお湯に滴らしたり、という方法でしょうか。「精油」というのは、植物からごく少量しか抽出することのできない、香り成分を含むオイルのことですが、実は、この精油には色々な有効成分が含有されているのです。
「アロマセラピー」という言葉は、近年ルネ・ガットフォセが名づけたものですが、その歴史的起源は古く、古代エジプト時代にまでさかのぼります。アロマセラピーのもとになる植物は、当時、ミイラの防腐剤としされ、美容効果を期待して、また、怪我や病気の治療薬として、様々な用途に利用されていました。
長い年月を経、17世紀以降に西洋医学が主流となるまで、薬草医療の研究は熱心に行われていたのです。ですが、その後の医療は化学医療に取って代わられ、薬草医療の長い歴史は終わりを迎えたかのように思われました。
ですが、ここ近年イギリスやフランスをはじめ多くの国々で、西洋医学に代わる代替療法が見直されるようになっており、その一つとして、アロマセラピー(アロママッサージ)が注目されつつあります。
使い方は色々ありますが、あくまで精油を利用しての療法で、厳密にいえば、植物そのものを用いるポプリやハーブとは異なります。
精油は植物の花・葉・根・樹脂などを多量に使って抽出しますが、ごく少量しかとれないものです。
たとえばバラの精油1滴をとるのに、有機栽培された特殊なバラを30個も必要とするほどだそうです。
このように、濃縮されており、濃度・刺激が強いため、間違った使い方をしてしまうと、かぶれたりアレルギーになったりするリスクもあります。
正しい知識を持って、効果的に利用するのが大切!です。
□実際の用法
大きくわけて、3種類の利用法があります。居室に香りを漂わせる「ルームフレグランス」(芳香欲)、入浴時バスタブに滴下する「アロマバス」、
精油をキャリアオイル(薄め用オイルである植物オイル)に香りづけして使う「アロママッサージ」です。
□ルームフレグランス(芳香浴)

オイルウォーマー・アロマポットを使うのが一番一般的。キャンドルで温めるのと、電気式の器具があります。
アロマポット・ティーキャンドルは100円ショップでも簡単に入手可能ですが、エッセンシャルオイルは専門店がやはりお勧めです。100円ショップなどのオイルは人工的に香りをつけた化学合成香料ですから、身体への効果は期待できません。
●アロマポットの使い方
●無印良品のアロマポット
私の場合、冬季限定でストーブにかけたやかんのお湯の中にフレグランスオイル、またはエッセンシャルオイルを入れて部屋中を香らせたりもしています(笑)。
ただし、この方法は急激な加熱方法であるため、エッセンシャルオイルを大量に消費します。
また、水を張った皿にオイルを3〜5滴ほど落とし、下から温め、部屋を香らせます。就寝時にはやはり電気式が安全です。タイマーをコンセントに差し込んでおけば、自動的にスイッチが切れます。タイマー付きのウォーマーは高価なので、
まずはホームセンターなどで、タイマーを購入して試すのがお勧め方法です。
ですが実際、就寝時や外出時などにうっかり忘れていても、アロマポットで事故が起きた経験(空焚きによってアロマポットが割れるなど)は、少なくとも私は一度もありません。
安全な場所で使用するなどの工夫・用心さえしていれば、それほど気にすることもないのではないでしょうか。
私は
生活の木社の「アロマミストディフューザー」がネットショップでが安くなっていた時に購入し、使っていますが、これはエッセンシャルオイルを加熱するのではない器具なので、高価で貴重なオイルの消耗を抑えることができます。
ただし、加湿・空気清浄機能もついているものが多く、価格はそれなりです。安いものでも5000円は覚悟しましょう。
ほかに、熱を使わずに素焼きの壷にたらしてほのかな香りを楽しむ方法もあります。
器具がなければ、ティーカップにお湯を入れ、香らせる方法もいいですね。←管理人のやかんアロマ方式に似てるかも?
□アロマバス
バスタブに5〜10滴ほど添加して、よくかきまぜて入浴する方法です。
ぬるめのお湯がよく、香りを楽しみながら少し時間をかけて入浴するのが一番効果があります。精油は細かい油滴になって表面に浮き上がるので、ときどきかき混ぜるのがいい方法です。
ブレンド済みで市販されている市販のバスオイルもあります。
より効果を得るには、自分でバスソルト[自然塩40g:アロマ精油3〜5滴ほど]やバスオイル[ホホバオイル等の薄め用オイル5mlに精油を3〜5滴ほど]をブレンドし、よく混ぜてからバスタブに入れる方法もありです。
また、バケツなどの容器に熱めのお湯と精油をたらして、爪先から足首あたりを温める「足湯」も疲労回復に効果的です♪足をあたためる事は疲労回復に大きな効果があります。
この利用法も、香りのノート、ブレンドファクターなどを参考に、各オイルの滴数を計算して、正しい利用法をすることが大切!です。
□アロママッサージ
希釈用のオイル(キャリアオイル)には無色・無臭で、もっとポピュラーに使われているホホバオイルのほか、
アーモンドオイル、マカデミアナッツオイル、月見草オイル、小麦芽オイルなど、たくさんの種類があります。
安価でスーパーなどで気軽に買えるのは、グレープシードオイルですが、グレープシードオイルは酸化がもっとも早い部類のキャリアオイルであるのが難点です。
アロママッサージは、香りを吸引するだけでなく、アロマオイル有効な成分を皮膚からも吸収できるので、アロマ効果は一番よいと言われます。
注意点としては、直接肌にぬるものなので、希釈率[オイル50mlに10〜20滴]を守る必要があります。ブレンド用の器具が専門店で入手できます。保存に家庭用品を利用する場合、プラスティックなどは厳禁!です。精油によっては溶けてしまうのです。
ガラス、ホウロウ、陶器、専用の遮光ビンなどに保存するのがよいです♪
金属製(ステンレスならOK)のスプーンなども避けた方がよいです。かき混ぜるには、ガラス棒、もし、ない場合はガラス製マドラーを利用するのがいい方法。
□アロママッサージの方法
両手でこすりあわせてオイルを、手のひらで伸ばしながらマッサージします。が、はじめにごく少量肌につけてパッチテストをするのが望ましいのです。
初心者はたとえば、首や肩、腰や脚をていねいにゆっくりマッサージします。末端部から心臓にむかって、らせんを描くようにするのがポイントです。
東洋医学でいう「ツボ」も利用すればさらに効果があがります。
アロママッサージは効果は高いですが、技術を必要とする方法です。精油の知識だけでなく、それなりの学習と経験がある程度必要な方法なので、最低でも本を読む・アロマセラピーサロンで実際に施術を受けるなどして、知識を得た方がよいと考えます。
特に、他人に施術する場合は、精油の種類だけをとっても逆効果があらわれる危険もありますので、知識と経験がやはり必要です。
アロママッサージ用にブレンドしたオイルは酸化しやすいので、少量ずつつくり、残った分は遮光瓶【小分け用の瓶があるとよいですね〜】に入れて冷暗所で保管し、2週間から一ヶ月くらいの間には使い切るのがいいようです。
いずれの方法にしても、アロマセラピーは「西洋漢方」と呼ばれるものです。
調子が悪いときだけでなく、継続して使っていると、体質改善がはかれます。
実際に、私はユーカリのエッセンシャルオイルをほとんど毎日使用しているうちに、花粉症・鼻炎がいつの間にか治ってしまいました。
ね。漢方と同じでしょう?アロマセラピー(西洋漢方)による効果を得るには、毎日数十分で構わないのです。
むしろ、大量のエッセンシャルオイルの成分摂取は禁物です。少しずつ、続けてゆくことが一番大切です。
また、高価なエッセンシャルオイルを使用するアロマセラピーなので、どこでどんなグレードのエッセンシャルオイルを購入するか、価格は自分の負担にならないか、など、情報収集も大切なことのひとつでしょう。
□花粉症の方への朗報
花粉症だけでなく、喉・鼻炎・風邪などの気管支の症状によいエッセンシャルオイルがあります。
「ユーカリ」です。
クールな香りのユーカリのエッセンシャルオイル)は、抗ウイルス作用があり、炎症を緩和し、粘膜の症状を和らげてくれます。
特に、せき、流感、咽喉感染症、カタル症状、喘息、肺結核、副鼻腔炎に有効です。
風邪と花粉アレルギー症による鼻づまりに効果があります。各種の感染症にも卓効があり、
いろいろなタイプの熱病に効き、体温を下げ、体に冷却効果、
およびデオドラント効果をあらわします。
さらには、ユーカリ精油は性尿器系にも効果を発揮し、
膀胱炎や下痢のような障害もなおしてくれます。
尚、ユーカリ精油(エッセンシャルオイル)をレモン精油およびジュニパー精油に混ぜて
使うとかなりの効果が期待できます。そのほか、神経痛、筋肉痛全般、膿漏、虫さされ、いろいろな有毒な動物の咬傷に対し、毒を解毒する作用があるといわれています。
心理面では、そのすっきりとした香りにより、意識をはっきりさせて、集中力を高める効果があります。車の運転中や勉強部屋、仕事場の香りとして大変役に立ちます。
精神的に疲れているのに少し無理をしなければならないときには特に有効です。
よりしっかり効果を得たい場合は、ティッシュに数滴落として、デスクの上など身近なところに置くのがお勧めです。