心理学の世界でよく言われます。
みな、人には、「自分が知っている自分」「他人が知っている自分」、そして「本当の自分」の3人がいる、と。
「本当の自分」を知る事は、大変難しい事だとも言われます。
自分が、本当はどんな事を考えていて、どんな人間で、何を求めており、何をして毎日を送っているのかすら、
その本当の事は分かっていない人が多いのです。
前のページで述べたような、美しい日記を続けていると、不思議なのですが、少しずつ「本当の自分」が見えてくる気がします。
こんな事を申し上げても、半信半疑の方もいらっしゃるでしょう。
が、精神医学の現場でも、日記をつける事・ただ単にその日にあった事を記録するのではなく、内面を文章にすることを奨める医師は、実際に多いのです。
美しい日記を書く事により、自分が何を求め、何が欠けていて、どんなもの(こと)が必要なのかが徐々にですが見えてくる様になります。
ですが、そうなるには、ただ単に日記を書くだけでは足りないことがあります。
日記や手帖は、書くだけではなく、読み返すことが大切で、むしろそちらの方に大きな意味があるのです。
たとえば。映画・本・見たものなどに感動したことを少しでも日記に書いておくと、おのずと自分がどんなものに感動するのか、何が自分の心を動かすものの傾向が分かってきます。
すると…。自分がどんな本や映画を観るべきかが分かりますし、逆に足りないものも分かってくるのです。
例ですが、私が映画の恋愛シーンに感動しやすい人間だとします。冒険者が登場するシーンには、あまり興味がない人間だとしましょう。
これは、私が恋愛を求め、冒険を求めていない人間である、という証拠になるのです。
自分を知るヒントは、自分が書いた言葉・文章の中にある、というわけです。
裏を返せばこういう事なのです。また、例を挙げて説明してみましょう。
日記や手帖の中に、「かっこいい!」と感じた俳優たちの写真を貼ってあったりはさんであったり、沢山の記録がしてあったとします。そのかっこいい俳優たちの
共通点=かっこよさを感じる部分が見えてきます。そのかっこいい点が、「コンプレックス」を感じ、求めている部分であるとも言えるのです。
つまり、恋愛シーンに感動しやすい私であるとすれば、恋愛を求めていて、恋愛に満たされていない、ということになります。
また読書というものもあります。
忙しい人はついつい読みやすい本・雑誌で済ませがちなのではないでしょうか。
何の本を買って読んだか。どのくらいの期間で読み終えたか。
などと記録していると読書傾向も分かるようになります。忙しいためについつい難しい内容の本を避けて雑誌やコミックスなどに走りがち…という、時間の
使い方も、手帖・日記をつけることにより、解消されてゆくのです。
読書というのは意外と人生において大切なものです。
楽で読みやすい楽しむだけの読書では、きちんと物事の追求ができない、着想・対策を自分で導きだす能力の退行現象などのデメリットが起きてしまうのです。
また、同じ雑誌・コミックスにしても、どんなものを選んでいるかで、本当の自分が見えてきます。
ファッション誌・パソコン雑誌・映画雑誌etc...様々な種類の雑誌がありますが、偏った読書をしていると、いわゆる「専門ばか」になり、ひいては大局的なものの見方ができなくなってしまう危険がある様です。
そして。交友関係。どんな人と何をしたか、何を話したかを記録しておくと、自分の交友関係の傾向が分かります。
他にも、様々な事を日記・手帖に記録することにより、多方面から自分を分析する事ができるようになります。書くだけでなく、読み返す事の重要性はまた、別の機会にアップしますので、そちらもよろしければ読んでやって下さい。
□忙しいからこそ日記・手帖を書く
忙しい社会です。仕事をしている方はとても忙しいでしょう。
一方、主婦・主夫・仕事は特にしていない方も日記をつけたり、手帖をつけると有意義です。
「こんなに忙しいのに日記なんて…。」「家にいるだけで、特に毎日変わった事もしていないのに日記なんて…。」
それでも。いえ、だからこそ日記・手帖はとても役にたつものだと私は実感しています。
「自己管理」を怠らないために、忙しい時ほど日記を書いた方が有益です。
使える時間を増やすために。
時間のやりくりがうまくいっていないから、忙しいわけです。
そういう忙しい時の記録こそ、時間をうまく使うために、後で読み返すととても参考になります。
□手帖・日記を書くことに義務を感じないために…
どうせならば楽しく続けて手帖・日記を続けていきたいものですね。
たとえば。既述ですが、雑誌を眺めるのと活字で書かれた本を読むのとでは、ずいぶん感覚が異なると思います。
・雑誌は見る ・本は読む ものとも言えます。
見るだけで、「今週は忙しかった・色々なことがあった」「来月は時間に余裕がある」と、ビジュアル的に即判るのが、手帖の特徴です。カレンダーのページなどは特にその様に構成されています。
これは手帖の場合ですが、ビジュアル的・感覚的な人の方が向いています。意外にも「ずぼらな人」の方が手帖をつけるのに向いているのです。
逆に、日記は、飽くまで文章が主役になるものですから、几帳面で真面目な人向き、と言えます。
●関連リンク=IVYおじさんのIVY的生活より「親父の日記」
To Be Continued…