そもそも占星術というのは、生まれた年月日の天体の配置をホロスコープとして作成し、その位置関係や天体の象徴を使って、性格や運命を診断する方法
です。
天体から個人や国家 etc...の運勢を知ろうとする方法は、洋の東西を問わずかなり昔から行われていて、西洋では西洋占星術、サビアン占星術、東洋では、インド占星術、バビロニア占星術、七星占術、宿曜占星術など数え切れない種類があります。
中国の三国時代に登場する諸葛孔明も、天文学に精通しており、星を見て策を弄したというのは有名な話です。
占星術といえば、西洋占星術が代表的で、日本でも昭和41年に門馬氏が出版した書籍により、一気に国内で一般の人々にも広まったものです。そして、門馬氏の功績により、
今では、なじみが深い診断法となっています。
毎朝放送される星座占い、女性向け雑誌に載っているのを見かけることも多いですね。
ですが、西洋占星術を駆使するには、実は大変な知識と労力を使うものなのです。
まず。生年月日と誕生場所をもとに陰陽五行説をあてはめて、「ホロスコープ」という図を作成しますが、これが非常に難解で、理解するにも作成するにも根気の必要な作業です。
作成したホロスコープを解釈して過去、現在、未来の運勢を占う方法もまた、きわめて難解です。
四柱推命の難解さは、一生かけても到達できないとまで言われるほどですが、それでも現代まで伝えられてきているのは、その的中率や、個人の運勢や金運はおろか政治にまで影響を与える応用力があると言われているくらいなのです。
それを応用する西洋占星術が、どれだけ難解であるかは、言わずもがな…ですね。
また、天文学の歴史・知識・天文学者の見解、各惑星(準惑星)と、それらの地球への影響を占星術をどう関連づけるか。どの様に考慮して自分の占星術に取り入れていくかというスタンスをまず確立する必要があります。
嗚呼、それこそ大変な研究が必要なものです!
少々余談:
また、2006年には、冥王星が惑星から降格することが決議されました。準惑星としての扱いになりました。
マスコミの論調は「教科書が変わる」「昔覚えたことが役に立たなくなる」といった感じの内容が多かったですね。
冥王星降格に関して、私は、科学の進歩の大きな局面を間近に見たことが嬉しかった反面、「え?惑星じゃないの?でも、昔から続いてきた占星術には影響ないのよね?」などと考えたりもしました。
そもそもこの問題は、科学が進歩して太陽の周囲を公転している天体の数が増えたことに発しています。それまで定義が無かった惑星に定義を作らないと、無限に天体が増えてしまうことが問題だった様です。
科学の進歩により、それまでの常識の枠組みを変える必要が出てきた、というわけでしょう。
自然科学の枠組みを変えるような大発見は歴史上、何度もありました。コペルニクスの天動説。ガリレオ・ガリレイの地動説。ダーウィンの進化論の登場。ニュートンの万有引力からアインシュタインの相対性理論へ。
エトセトラ。
ですが。私自身がそのような科学上の発見をリアルタイムで経験したことはあまりなかったのです。
今回の冥王星降格はコペルニクスの天動説やダーウィンの進化論のような宗教上の大問題は引き起こすような影響力はなさそうですが、占星術研究家には多少なりとも影響が出るはずです。
また、この決議は、相対性理論や遺伝子工学のような人類の生活を脅かすおそれもないでしょう。
しかし、冥王星降格は、科学の枠組みの変化をリアルタイムで目の当たりにしたうれしさと驚きを同時に味わえた事件でした。
……そういうわけで。
私は占星術に、本格的に手を出す気にはなれず…。タロットに必要な占星術の知識も、昔とった杵柄で、何とかしのいでいるだけの状態が続いているのです。
若い頃から西洋占星術に触れ、年月をかけてずっと続けている方ならばいざ知らず、昨日の今日でマスターできる代物ではない…。
それが西洋占星術…。